海とデッドマン

エンジニア歴5年、フリーランス、デッドマン

It’s not what you know, but who you know.

 俺はプログラムが多少書ける。そして善意から困っている人にプログラミングを教えたいとも思っている。しかし、俺は俺に仕事をしてほしい人を知らないし、俺にプログラミングを教えてほしい人を知らない。ちょうどよくして欲しい仕事があればすぐに受けるし、ちょうどよくプログラミングを学びたい人がいればすぐ教えてあげられるのだけれど、そんなに都合よくは見つからない。

 人生のおおよそを常にそんな状況で生きてきたから、俺のような人って世界には結構な人数がいるんだろうなって思っている。善意の面に焦点を当てると、世界には多分良い人がもっとたくさんいる。例えば何か後継者不足で困っている職人さんに、生活するためにあなたの技術を学ばせて欲しいと持ちかけられる人がいれば、案外すぐにそれは叶うのではないかと思っている。ただお互いに縁を結ぶことが難しいから、なかなか人生で出会うことのないシーンになってしまっているのだと思う。

 じゃあそんな人たちをマッチングするようなサービスがあればいいのか、というとそれもなかなか難しい。それなりにまとまったお金が動くこととなるとやはり人は尻込みしてしまうし、必要以上に警戒して意識のハードルを高くしてしまう。人々や俺が持っているような、この隠れ善意みたいなものをもっと表出化させて気軽に擦り合わせられる機会があれば、なんとなくもう少し幸せな社会になっていくような気がする。

 良い人はたくさんいるし、人のために何かをしたいなって気持ちは多くの人が元々持っていておかしくないものだ。俺は割と本気でそんなように思っている。けれども、そういう綺麗な言葉で粉飾してやるのは結局マルチ、みたいなことをしている悪い人がいるから、なんとなく善意ってものは表出させづらいものになりつつあるとも思っている。なかなか難しいよなあ。出会ってきた人は方向性は違えども良い人ばっかりだったんだけどなあ。

 なんというか、明日旅行に行こうよ、というような気軽さで人と助け合えるようになりたいな。