海とデッドマン

エンジニア歴5年、フリーランス、デッドマン

ちゃんとしないでいい世界にいきたい

 転職というか就職というか、とりあえず仕事を探す活動をしている。今日も面談があり、まあ恐らく落ちただろうという感じだった。それはいい(ほんとはよくない)んだが、面談や面接となると毎回毎回緊張してしまうのをどうにかしたい。当日の朝起きるのが嫌になるし、前日や前々日から仕事を辞めた理由をどう話したら聞こえがいいか、本当のところ働きたくなんてないわけだがそれをどういう振る舞いで意欲があるように見せ掛けようかと考える。自分がやってきたことを説明できるよう振り返ってみたりして、少しでもちゃんとして見えるように髪を切って綺麗なシャツを着て、結局やることは笑顔で嘘をつくことなんだから、しょうもないよなあ。

 この間なんてカジュアル面談っていう名目でお邪魔したらさ、相手はパリッとしたスーツでお迎えしてくださって、綺麗なオフィスのカッコいい会議室で「まずは簡単な職歴を教えて下さい」ってさ。いやいや何がカジュアルなのか全然わからんわ。そりゃあ人と話すんだから流石に寝そべったまま僕は前の会社でエンジニアとしてどうのこうの、というわけにはいかないよ。ただそのパリッとした雰囲気というか態度のようなものに当てられて、こっちもこっちでちゃんとしなきゃという気がしてしまい、御社でどうしても働きたいスイッチ、つまり嘘つきスイッチが入ってしまう。出会って5秒でお互い損してる。

 そもそも、「週休二日で残業代が出て家から近くて自分のスキルでも働けそうだったから」以上に説得力のある志望動機があるなら聞かせて欲しい。多分それ以外の回答は8割方嘘になると思う。例えば面接官がその会社に入るとき、本当にそこで働きたいと思っていたなら百歩譲ってまあいいよ。そのレベルを他人に求めるのはいささか酷だとは思うがしょうがない。ただなんとなく働かなきゃなあ、という程度で入った会社だったならもう本当くだらない。お互いどっちも偉そうにちゃんとしてそうに嘘ついて見栄張って、なんの大会なんだよそれ。審判は誰なんだよ。

 嘘つかないでいい世界にいきてえなあ。ちゃんとしないでいい世界にいきてえなあ。